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投稿日: 2024-11-13
応用生命科学専攻 制御発酵学分野 修士2回生の成瀬文乃さん、生物資源経済学専攻 農学原論分野 修士1回生の橋本武龍さん、応用生命科学科 学士3回生の土田美咲さん(以上、学生代表)、応用生命科学専攻 制御発酵学分野 白石晃將助教(とりまとめ責任者)がG7 Agri-Young Hackathon※1の日本代表に選出され、学生3名が2024年9月25~27日にイタリア・シチリア島で開催された同会合に参加しました。G7※2各国から 農業を学ぶ学生や若者世代の農家等が各国の代表として参加し、3つのグループに分かれ、1.気候変動への適応と緩和のための農業における科学とイノベーション 2.農業変革の代表としての若者世代 3.世界の食料安全保障の課題とその要因 のそれぞれについて議論しました。その議論の成果を政策提言として、9月27日のG7農業大臣会合でG7各国大臣、アフリカ諸国の大臣、及び国際機関の事務局長らに発表しました。また、G7農業大臣会合開催中には、G7 Agriculture Forum for Africaにも出席し、アフリカの農業開発、食料安全保障、気候変動への適応など重要課題に関する知識も習得しました。
※1 Hackathonとは、“hack”と“marathon”の2つの単語から構成される造語で、問題解決のためにチームで長時間にわたり議論し、良いアイデアを引き出すことを意味します。
※2 G7(Group of Seven)は、世界の主要7カ国(日本、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英 国、米国およびEU)が毎年参集し、世界経済、地域情勢、様々な地球規模課題を始めとするその時々の国際社会における重要な課題について議論する重要な会合です。
なお、G7 meeting on AgricultureならびにG7 Agri-Young Hackathonに関する詳細については次をご覧ください。
G7イタリア農業大臣会合(令和6年9月) (G7イタリア農業大臣会合(令和6年9月):農林水産省)
Ministers’ Meeting on Agriculture
Ministers’ Meeting on Agriculture | G7 Italia
G7 Agriculture Ministers’ Communiqué Syracuse, September 27-28, 2024 (G7-Agriculture-Ministers-Communique-2024_Final.pdf)
G7 Agri-Young Hackathon “The young generations in agriculture” (G7 Agri-Young Hackathon “The young generations in agriculture” – Siracusa Institute)
以下、参加者のコメントです。
(成瀬文乃さん)
多様な専門性を持つ参加者との協働による政策提言の作成過程に、困難さと充実感の両面を見出し、その価値を深く実感しました。さらに、専門領域の異なる参加者間での「サイエンス」という概念の解釈に差異がみられたことは、サイエンスコミュニケーションの重要性を再認識する契機となりました。この経験から、“科学と政策を橋渡しする専門家”を目指すという明確なキャリアビジョンが形成されました。
(橋本武龍さん)
国際連合食糧農業機関で働くことを目指す私にとって、今回の参加は大変貴重な経験でした。3日間、世界的な食料不安の解決策を模索しました。福島県出身の私は、9歳の時に震災による食料不足を経験し、それが自らの夢を抱くきっかけとなりました。今回のハッカソンでは、自ら直面した課題に立ち向かう思いを胸に、持続可能な食料システム構築に向けた方策を見出すことができました。
(土田美咲さん)
国や専門分野、職業により多様な価値観や視座があるのは当然のことですが、それでもなおそれらの違いを超えて、多くの人が納得できる結論に到達するべく議論を尽くすことが、産官学のうち「官」に携わる方々の役割であると強く実感しました。Young generationsのみならず、各国の農業大臣や公務に携わる方々との交流を通じて、私自身の視野も格段に広がりました。
【農林水産大臣(当時)坂本哲志氏からの激励を受ける様子】
左から順に、橋本さん、成瀬さん、農林水産大臣(当時)坂本哲志氏、土田さん。
【G7 Minister’s Meeting on Agriculture全体集合写真】
写真中央はG7各国の大臣、アフリカ諸国の大臣、並びに国際機関事務局長ら。その両脇には、G7 Agri-Young Hackathon代表者らが並ぶ。
【グループでの議論の様子】
左奥が、成瀬さん。
【イタリア農業・食料主権・森林大臣との討論の様子】
左が、橋本さん。
【グループでの実際の議論の様子】
左奥が、土田さん。