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投稿日: 2024-07-22
小林千浩 農学研究科研究員、井鷺裕司 同教授のグループが、小牧義輝 東京大学技術専門職員と共に、ムニンノボタン・ハハジマノボタン・イオウノボタンに加えて普通種であるノボタンなどについて比較ゲノム解析を行ったところ、小笠原固有分類群はいずれも普通種であるノボタンよりも遺伝的多様性が低くなっていました。中でもハハジマノボタンは、有害なアミノ酸変異割合に基づくゲノムの脆弱性が高いことや、ゲノム内や個体間の遺伝的差異がほとんど消失しているなど、ゲノム構造がきわめて脆弱で、ムニンノボタンよりも危機的な状況にあり、早急な保全策の構築が必要であることがわかりました。本研究の成果は、小笠原諸島の生物多様性や独自の生態系の由来を理解し、固有種の保全状態が危機的になる前に、限られたリソースの中で効率的な保全策を講じるために有用な情報を提供するものです。
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