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ウシ受精卵の新しい遺伝子解析技術を開発―遺伝子のヒストン修飾を簡易に診断―

投稿日: 2024-01-24

哺乳動物の受精直後の受精卵は、直径が1ミリメートルにも満たない非常に小さなものです。受精卵の発生能力(妊娠のしやすさや生まれる産子の健康)には個々に差があることが知られており、正常な発生のためには遺伝子が適切に働くことが重要です。遺伝子の基本情報はDNAの塩基配列ですが、その遺伝子の働きがなぜ細胞や個体ごとに異なるかを塩基配列以外の情報で決めている仕組み(エピジェネティクス)があり、DNAが結合しているタンパク質であるヒストンの修飾もその一つです。ヒストン修飾の解析法はすでにありますが、1個1個の受精卵のヒストン修飾解析はその小ささや細胞の少なさから困難でした。

 この度、池田俊太郎 農学研究科教授、Zeng Yiren 同博士課程学生らのグループは、受精卵の個別培養に用いられている培養皿(WOWディッシュ)上で、従来の少数細胞用のヒストン修飾解析を行うことによって、単一のウシ受精卵、さらにはその一部の細胞に対して、高感度なヒストン修飾解析が行えることを実証し、WOW-CATと名付けました。今後、受精卵の発生能力に関連する修飾が見つかれば、本法を用いて、受精卵の発生能力の予測や、受精卵の生産方法の品質管理が可能になることが期待されます。

 

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