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縄田研究科長らが華中農業大学を訪問し、部局間学術・学生交流協定を締結

投稿日: 2017-05-15

京都大学農学研究科の縄田栄治研究科長(熱帯農業生態学)は、宮川恒教授(生物調節化学)および田尾龍太郎教授(果樹園芸学)と共に2017年5月4日に中国・華中農業大学を訪問し、本研究科との部局間学術・学生交流協定を締結しました。同大学からは園芸林学学院のHongrong Zhang党委書記とZhengrong Luo教授が2017年2月に本研究科を訪問しており、その際に双方で検討された交流協定の締結が今回実現しました。

調印式の場では、今後の具体的な協働について話し合いが行われました。華中農業大学は特に園芸学の研究が高い評価を受けていますが、その他に動物科学、水産学、微生物学、環境学また食品科学等など様々な研究分野を対象とした学院を設置しています。現在、本研究科との交流は果樹園芸学分野を中心に進められていますが、今後交流を全体に拡大していくために合同シンポジウムを開催することが宮川教授らより提案され、華中農業大学のXianlong Zhang副校長らもこれに合意しました。Zhang副校長は特に食品科学分野での協力に言及し、「中国では食糧不足の危機はある程度回避されたが、質を求める時代が到来しつつある。食品加工の分野で協働できれば望ましい」という旨の希望を述べました。この他、同副校長からは学生交流の一環として、サマースクールのような短期交流を行うことが提案されました。

一行は調印式を終えると、同大学の作物遺伝改良国家重点実験室(※|リンク先 中国語webサイト)をはじめとするキャンパス内の施設を見学し、更に学生に向けて本研究科の紹介や各教授の研究分野に関する講義を行いました。講義の後はXiuxin Deng校長とも会談が持たれ、将来的に第三国の大学を含め、学生も参加する国際シンポジウムを開催する可能性や、両国の農業が抱える課題について意見交換が行われました。

なお、今回締結された学生交流協定により、学位取得を目的としない最長1年間の留学が、授業料不徴収で相互に年間2名まで可能となりました。両協定ともに5年間有効で、更新については改めて協議されます。

※国家重点実験室:基礎研究のレベル向上と世界レベルへのキャッチアップを図るため、1984年に科学技術部、教育部と中国科学院等が中心となりプロジェクトが開始され、以降大学、研究所、また企業にも設置されている。国家重点実験室には、中国政府から集中的に財政支援が行われている(出典:Science Portal Chinaほか)。



会談の様子


協働の方向性について意見を述べるZhang副校長


前列左から、縄田研究科長、Zhang副校長
後列左から、Zhang党委書記、田尾教授、宮川教授、Chengxiao Hu国際合作交流処長、Luo教授、Xuegang Zheng国際合作交流処副処長、Mingyong Qu学生工作部副部長、Xiangping Xiao国際合作交流処事務室主任


作物遺伝改良国家重点実験室


講義を行う田尾教授(左上)、縄田研究科長(右上)および宮川教授(左下)
学生との集合写真(右下)


左から、戸谷向平北部国際室掛員、田尾教授、宮川教授、縄田研究科長、Deng校長、Zhang党委書記、Luo教授