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国際園芸学会(ISHS)会長ら、理事会の京大開催に合わせ農学研究科を表敬

投稿日: 2014-12-08

 国際園芸学会(ISHS)会長ら9名は4日から6日、理事会を京都大学で開催し、5日に農学研究科を表敬訪問しました。

 ISHS はベルギー・ルーヴェンに本部を置き、会員7,500名以上、加盟国50以上を擁す、園芸学における世界最大規模の学会です。本研究科の田尾龍太郎准教授(果樹園芸学)は今年8月、オーストラリア・ブリスベンで約100ヵ国3,400名が参加した ISHS 国際会議において、アジア人として初めて理事(財務担当)に選出されました。田尾准教授を含む8名が、今期(2014~2018年)の理事会メンバーとなります。

 京都大学での ISHS 理事会開催に合わせ、ISHS 会長らは本研究科を表敬訪問し、宮川恒研究科長(生物調節化学)、縄田栄治副研究科長(熱帯農業生態学)と会談しました。

 ISHS 会長の Roderick A. Drew(オーストラリア・グリフィス大学)教授は「2010年、米森敬三教授(果樹園芸学)に客員教授として招いてもらい、ここ京都大学農学研究科で有意義な3か月を過ごした。その思い入れのある場所で ISHS 理事会を開くことができ、とても光栄に思う」とし、宮川研究科長らに感謝の意を表しました。

 「ISHS 史上で初めてアジアから理事が誕生したことも、意義深い。日本は勿論、アジア諸国の園芸学コミュニティとの交流を深めるにあたって、田尾准教授が果たす役割は大きい。来週には中国園芸学会をともに訪問する予定も立てた。これを機に、博士課程の学生交流など、京都大学農学研究科との協力体制も構築していきたい」とし、今後の連携強化に期待を寄せました。

 2018年8月に開催される ISHS 国際会議の実行委員長を務める Yüksel Tüzel(トルコ・エーゲ大学)教授は「開催地のイスタンブールは、アジアとヨーロッパをつなぐユニークな都市。東西南北の国々、園芸学のあらゆる分野の間に橋を架ける大会になる」とし、本研究科からの積極的な参加を呼びかけました。

 ISHS 副会長の Silvana Nicola(イタリア・トリノ大学)教授からは、ISHS が一次産品ベースの分科会を基礎としつつ、学際的な視点も欠かさないこと、シンポジウムを年に40~50回のペースで開催して分野の活発化を図っていること等の紹介がありました。

 出版担当理事 Yves Desjardins(カナダ・ラヴァル大学)教授、イノベーション・広報・戦略担当理事の Jens N. Wuensche(ドイツ・ホーエンハイム大学)教授からは、シンポジウムごとに発行する紀要『Acta Horticulturae』、新たに発刊予定の査読付き科学誌『eJHS』、インパクトファクター※や被引用回数といった評価指標へのスタンス等の説明がありました。

 ※インパクトファクター(文献引用影響率):特定のジャーナル(学術雑誌)に掲載された論文が特定の年または期間内にどれくらい頻繁に引用されたかを平均値で示す尺度(トムソン・ロイター社ウェブサイトより引用)

 総務担当理事の Jill Stanley(ニュージランド・植物食品研究所)博士は、大学ではなく研究所に所属する研究者ならではの視点から、ISHS をはじめとする学術コミュニティへの関わり方や、大学院生・若手研究者へのはたらきかけ、売り上げ・政府の競争的資金・ロイヤルティ収入といった財源の内訳について紹介しました。

 Ir. Jozef Van Assche 事務局長は、ISHS だけでなく日本の園芸学会英文誌『The Horticulture Journal』やアメリカ果樹学会等による出版物の統合データベース「PubHort」の活用を呼びかけた後、「京都大学は世界でも有数の、日本ではまさにトップレベルの大学。多くの学生・研究者が、必死の思いで入ろうとしている。そんな場所で今期最初の理事会を開催し、宮川先生らと今後について話すことができたことに、心から感謝したい」とし、会談を締め括りました。

(前列左から)Yüksel Tüzel ISHS 国際会議2018実行委員長、Roderick Drew 会長、宮川恒 研究科長、Silvana Nicola 副会長、Jill Stanley 理事、縄田栄治 副研究科長、(後列左から)Ir. Jozef Van Assche 事務局長、Jens-Norbert Wünsche 理事、田尾龍太郎 ISHS 理事・農学研究科准教授、Yves Desjardins 理事、Peter Vanderborght 事務局員
(前列左から)Yüksel Tüzel ISHS 国際会議2018実行委員長、Roderick Drew 会長、宮川恒 研究科長、Silvana Nicola 副会長、Jill Stanley 理事、縄田栄治 副研究科長、(後列左から)Ir. Jozef Van Assche 事務局長、Jens-Norbert Wünsche 理事、田尾龍太郎 ISHS 理事・農学研究科准教授、Yves Desjardins 理事、Peter Vanderborght 事務局員

Drew 会長、Nicola副会長、田尾ISHS理事・准教授
ISHS の紹介をする Drew 会長、Nicola 副会長、田尾 ISHS 理事・農学研究科准教授ら

宮川研究科長、縄田副研究科長、飯島由多加
京都大学農学研究科の国際化の取り組みについての紹介をする宮川研究科長、縄田副研究科長ら

ISHS 国際会議2018記念プレートの贈呈
ISHS 国際会議2018記念プレートの贈呈