研究科長・学部長挨拶

 京都⼤学農学研究科/農学部では、「⽣命・⾷料・環境」をキーワードとして、分⼦・細胞レベルの⽣命活動から地球上の⽣態系、物質循環系さらには地域社会の⼈間の活動まで、農林⽔畜産物の⽣産性の向上と⽣産環境の保全に関わる幅広い研究・教育を実施しています。さらに研究を通じて明らかにした⽣物のからだや⽣命維持の仕組みを、薬品、⼯業原料、機能⾷品、新素材などの開発やエネルギー⽣産に役⽴てていきたいと考えています。私たちの教育内容の⼀端は、インターネットでご覧になることができます。本学ホームページのオープンコースウエアのサイトを⼀度訪れてみてください。

 ⼈々が⼼豊かな⽣活を送る上で、⼗分な量の⾷料を確保することがとても重要であることは⾔うまでもありません。しかし⽣産技術の発展に伴って農業が環境に与えてきた負荷は無視できず、塩害や⼟壌浸⾷によって⾷料⽣産の制限要因が⽣じています。気候変動や⼤規模な⾃然災害の影響に加え、さらには⼤きく変化する世界の経済によっても農業は翻弄されています。このような難局をどう乗り切っていくか。農学が果たすべき役割はきわめて⼤きいと⾔えるでしょう。私たちはその責任の重さをしっかりと感じて前に進んでいく必要があります。

 わが国の⾷料⽣産が厳しい状況にある中、良好な国際関係に基づいた相互協⼒体制の構築は重要です。農学研究科では、世界中の数多くの大学と交流協定を締結し、国際共同研究を進めると同時に、英語だけで学位を取得できるプログラムを提供して数多くの留学⽣を受け⼊れています。また、アセアンの⼤学とのダブルディグリーが取得できる協働教育課程をスタートさせました。さらに、さまざまな国際学生交流プログラムを実施しています。また、地球規模で発⽣する深刻かつ多様な課題の解決のために国境を越えて活躍する⼈材の育成を目指す研究科横断の「グローバル⽣存学⼤学院連携プログラム」に参加し、⾷料安全保障に関わる科目を提供しています。

 このような多岐にわたる教育と研究を通じて世界の⼈々の平和な暮らしに役⽴ちたいと考えています。

農学研究科・農学部長 縄田 栄治