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農学研究科附属農場の土壌汚染対策法に基づく形質変更時要届出区域の指定について

投稿日: 2011-07-29

 農学研究科では、附属農場の移転に向けて特定施設の届出変更を行うため、特定有害物質の調査を行いました。土壌中に含まれる特定有害物質の含量(土壌含有量)に関してはすべて基準値以下でしたが、土壌から水に溶けでてくる特定有害物質の含量(土壌溶出量)に関しては通路・畦・水路底面の一部土壌から鉛と水銀で基準値よりも高い値が検出されました(参考資料1)

 このため、高槻市にその結果を報告していたところ、平成23年7月29日付けで土壌溶出量において基準値よりも高い値が検出された地点が形質変更時要届出区域として指定されました。これは人への健康被害が生ずる恐れがない区域としての指定です。

 詳しくは、高槻市環境部環境政策室環境保全課の土壌汚染対策法に基づく区域情報欄をご覧ください。

http://www.city.takatsuki.osaka.jp/db/kankyohozen/siteikuiki.html

 附属農場では、念のため指定区域付近で栽培されている作物の収穫期時点での対象物質の含量測定を行い、すべての作物で測定限界値以下であることを確認して、栽培されている作物の安全性を確かめております(参考資料2)。

 また、収穫時期がまだ先の作物は対象物質の含量測定を順次実施し、安全性の確認を行います。

農学研究科長 遠 藤   隆
 

(参考資料1)

土壌調査箇所    635箇所

土壌溶出液からの検出物質
 ・鉛及びその化合物 【土壌溶出量基準 0.01mg/l 以下】
  土壌溶出量が基準を超えた範囲と箇所
 
0.011~0.064mg/l 74箇所
(内訳) 0.01~0.02以下mg/l 44箇所
  0.02~0.03以下mg/l 20箇所
  0.03~0.04以下mg/l 7箇所
  0.04~0.05以下mg/l 2箇所
  0.064mg/l 1箇所
 
 
 ・水銀及びその化合物 【土壌溶出量基準 0.0005mg/l 以下】
   土壌溶出量が基準を超えた範囲と箇所
 

0.0006~0.0013mg/l 3箇所
(内訳) 0.0005~0.0010mg/l 2箇所
  0.0013mg/l 1箇所

 
なお、アルキル水銀については、検出されていません。
 
 
(参考資料2)
 
高槻農場 指定区域付近で栽培されている作物の分析結果(平成23年12月26日現在)
 
分析依頼先:日本環境株式会社(厚生労働省登録検査機関)
分析方法  鉛:酸分解-ICP/MS法、総水銀:加熱気化原子吸光光度法
測定限界値 鉛:0.1mg/kg、水銀:0.01mg/kg
 
作物名 採取日 分析部位 分析項目 分析結果(mg/kg)
水稲 平成22年度産
平成22年10月
玄米 測定限界値以下
水銀 測定限界値以下
タマネギ 平成23年5月16日 鱗茎 測定限界値以下
コムギ 平成23年6月7日 玄麦 測定限界値以下
水銀 測定限界値以下
モモ 平成23年6月16日 果実 測定限界値以下
アンズ 平成23年6月16日 果実 測定限界値以下
スイカ 平成23年6月30日 果実 測定限界値以下
水銀 測定限界値以下
ブドウ 平成23年8月5日 果実 測定限界値以下
カキ 平成23年10月11日 果実 測定限界値以下 
水稲 平成23年10月中旬 玄米  測定限界値以下
水銀  測定限界値以下
トマト  平成23年12月13日  果実  鉛  測定限界値以下