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投稿日: 2015-06-09
サウジアラビア王国プリンス・サッタム・ビン・アブドゥールアジズ大学(PSAU)文理学部のモハメド・ギーシ副学部長(有機化学)は8日、農学研究科を表敬訪問し、宮川恒研究科長(生物調節化学)らと会談しました。
本訪問は、2012年に両部局間で結ばれた学術交流協定に基づいて実施されている、同学部から本研究科へのスタディ・ツアーの一環として行われたものです。
2014年には、さらに踏み込んだ交流に向けた合意書が締結されました。調印式はサウジアラビアで開催された高等教育フェア会場で行われ、森純一国際交流推進機構長が出席・署名しました。
本会談では、こうした交流の枠組みを活かした連携を強化するための話し合いが行われました。これから育むべき国際性と学際性について、ギーシ副学部長は「例えばイギリスなど、特定の国に目を向けていた時期もあった。PSAUの若い世代には、日本や韓国なども注視し、化学・物理学などから農学・バイオテクノロジーまでまたがるような研究を志してほしい」としました。
大学レベルの変遷だけでなく、国としての政策の転換にも話は及びました。ギーシ副学部長は、エネルギー問題について「サウジアラビアでも原油埋蔵量の有限性からは逃れられないことから、太陽電池などの研究開発にも多額の予算が投じられている」とし、高等教育の地域格差については「地方大学の設立と運営を可能にするため、首都圏以外にも一定の人口を確保するための方策が練られている」と紹介しました。
本スタディ・ツアーは、PSAU文理学部からの要請を受け、主に縄田栄治副研究科長(熱帯農業生態学)と細川宗孝准教授(蔬菜花卉園芸学)が企画したものです。
ギーシ副学部長の引率のもと、同学部から8名の学生が参加しています。
6月8日から12日にかけ、本研究科の圃場や実験室をまわり、田尾龍太郎准教授(果樹園芸学)、近藤直国際交流委員長(生物センシング工学)による講義を受ける他、近隣の有機栽培農家や植物工場、コーヒー事業を手掛ける企業を見学し、京都市内の工房で友禅染を体験する予定です。
左から、宮川恒研究科長、モハメド・ギーシ副学部長、縄田栄治副研究科長、田尾龍太郎准教授
会談中のギーシ副学部長
会談中の対応者ら