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Vijay Singh イリノイ大学教授、農学研究科を表敬:更なる学生交流に意欲

投稿日: 2014-08-06

 米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)農学・消費者・環境学部(ACES)Vijay Singh 教授は4日、京都大学大学院農学研究科を表敬訪問しました。

 UIUC の9部局が参画し、その学際性と先端研究で知られるバイオエネルギー高等研究センター(CABER)の副センター長でもある Singh 教授は、同研究科の宮川恒研究科長、縄田栄治副研究科長、近藤直国際交流委員長、裏出令子教授と会談しました。会談では、同研究科が ACES と2010年に締結した協定に基づく交流の状況と展望の他、両大学の国際化への取り組みについて意見を交換しました。

 縄田副研究科長は「文部科学省の『大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業』や『大学の世界展開力強化事業』による支援を基に、英語のみで修士・博士課程を修了できる農学特別コースや、アセアン大学ネットワーク(AUN)との双方向人材育成プログラムを立ち上げ、着実に国際化を進めてきた。しかし、支援期間後の財源、英語による講義の質、そして国際対応をする事務職員の確保など、依然として課題は残っている」とし、国際性を持続させるためのポイントを挙げました。

 Singh 教授は「(学生の多様性のための)予算確保は、アメリカでも常に悩みの種。イリノイ大をはじめとする州立大学は、国内でも州外からの入学に対しては割高な授業料を設定するなどして、財務バランスを取らざるを得ない状況」とし、優秀な学生を国内外から広く募る際のジレンマを説明しました。

 宮川研究科長らと Singh 教授は、2015年で終了となる協定を更新し、両部局間の学生交流や共同研究をより発展させたい意向を確認し合った上で、会談は終わりました。

 その後、Singh 教授は同研究科の飯田訓久教授(フィールドロボティクス)と白岩立彦教授(作物学)の研究室を見学し、それぞれで議論とアイデア交換をしました。

 交流協定の更新について、詳細を北部構内研究支援課の担当職員と詰める打ち合わせの中で、Singh 教授は「裏出先生(品質設計開発学)が私のラボに送り出してくれた、土雄一朗さん(修士課程1回生)は、本当に良くやってくれている。優秀なだけでなく、ラボ内でも打ち解け、良い刺激となり、京大農学研究科での研究指導に強い関心を示すメンバーも出てきた」とし、協定に基づく学生交流の実効性と将来性に期待を寄せました。

 Singh 教授はまた、公開セミナー「バイオプロセシング技術:工業製品と燃料への応用研究」[PDF] に招待講演者として登壇しました。本セミナーは近藤委員長が企画し、白岩教授が座長を務めたもので、講義室はほぼ満席となりました。予定を30分過ぎても続いた質疑応答を最後に、Singh 教授は約7時間にわたったこの日の訪問を終えました。

Vijay Singh 教授、宮川恒研究科長、裏出令子教授、縄田栄治副研究科長
左から、Vijay Singh 教授、宮川恒研究科長、裏出令子教授、縄田栄治副研究科長

Vijay Singh 教授、宮川恒研究科長、裏出令子教授、縄田栄治副研究科長、飯島由多加
Singh 教授に京都大学と農学研究科の国際化への取り組みを紹介する宮川研究科長ら