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国立台湾大、農学研究科を表敬:部局間の連携強化と大学間の合同シンポ開催に向けて

投稿日: 2013-07-23

 国立台湾大学(NTU)生物資源農学院の Ta-Te Lin 副院長、Chan-Pin Lin 副院長、Ya-Nan Wang 副院長は10日、京都大学農学研究科を表敬訪問しました。訪問目的は主に二つで、一つは同院と同研究科が昨年10月に締結した部局間学生交流協定に基づく連携の更なる強化、もう一つは学位取得を前提とした交換留学制度の実現性の模索でした。

 連携の更なる強化について、Ta-Te Lin 副院長は「京都大学と NTU が2005年に大学間学術交流協定(MoU)を締結している事もあり、既に交流の土壌はできている。それに加え、昨年は部局間でも協定を結んだ。これらを最大限に活かし、より具体的な連携につなげていきたい」とし、同院としての意向を改めて明らかにしました。

 交換留学制度の構想について、Chan-Pin Lin 副院長は「短期ではなく、少なくとも修士号、できれば博士号の取得に至る、中長期のプログラムが理想的」とし、仮に実現するなら同院からは極めて優秀な学生数名を送り出す構想を語りました。その際に考えられる課題として、Ta-Te Lin 副院長は言葉と費用を挙げ、その上で「費用については台湾政府からの支援というのも考え得るが、やはり言葉の壁が大きい」との見解を示したところ、縄田栄治副研究科長は「どの指導教員も英語に堪能であり、修士課程の講義でも全てが英語で行われる『K.U. Profile 農学特別コース』もある」と説明しました。

 K.U. Profile(Kyoto University Programs for Future International Leaders)は、文部科学省「国際化拠点整備事業(グローバル30)」の京都大学におけるプログラム名で、2009年の開始以降、同プログラムを利用して各国から極めて優秀な学生が集まっています。宮川恒研究科長は「NTU から K.U. Profile 農学特別コースに進んでくれた Chi-Hua Nieh さんは、まさにその一人」とし、受け入れ先の応用生命科学専攻・生体機能化学研究室(加納健司教授)で5月に博士号の学位論文請求講演をするに至ったことを紹介。副院長らは、Nieh さんは NTU でもトップ3%に入る逸材であったことなどを話し、同プログラムは双方が誇る人材の育成に寄与したことが示される一幕がありました。

 縄田副研究科長、近藤直国際交流委員長らが京都大学、農学研究科、K.U. Profile 農学特別コースについて英語版パンフレットを見せながら紹介した際は、絶えず活発な質疑応答がなされ、有力な進学・留学先としての京都大学に対する関心の深さが示さましれた。中でも K.U. Profile 農学特別コースは強い興味を引き、運営する上での重要なポイントや、文部科学省によるグローバル30事業が終了した後の構想などについて、具体的な議論が交わされました。

 谷教授からは、12月19~20日に京都で開催予定の京都大学・NTU 合同シンポジウムの企画状況と暫定プログラムの説明があり、現時点で既によく練られたプログラムは副院長3名に好評でした。同シンポジウムへの双方の熱意、大学間と部局間の更なる交流促進への意欲を確認し合い、会談は終了しました。

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左から、谷史人教授、近藤直委員長、縄田副研究科長、NTU 生物資源農学院 Ta-Te Lin 副院長、宮川研究科長、Chan-Pin Lin 副院長、Ya-Nan Wang 副院長

谷史人教授,近藤直委員長,縄田副研究科長,NTU 生物資源農学院 Ta-Te Lin 副院長,宮川研究科長、Chan-Pin Lin 副院長,Ya-Nan Wang 副院長,飯島由多加
質問に答える宮川研究科長ら